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たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

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たかたまさひろ(著)

No.055『人間関係は、まず自分から』

ある本で読んだ話です。
東京で営業の仕事をしているサラリーマンが、地方の支社に出張で訪れました。
その支社には、かつての彼の部下で、目をかけてやっていたAさんがいます。
彼は、Aさんの仕事ぶりが気になり、支社の社員のBさんとCさんに、Aさんの評判について尋ねてみました。
Bさんは、「Aさんは、ろくにあいさつもしないし、人の目を見て話そうとしない。営業マンには向かないね」と批判しました。
また、Cさんは、「Aさんは、はきはきとあいさつをするし、愛想もよくて、話しやすい。営業の仕事は、まさにうってつけだよ」と褒めました。
同じAさんの人柄について、BさんとCさんは、まったく逆の印象をもっているのです。これはいったい、どういうことなのでしょうか。
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実は、「Aさんは、あいさつをしない」と批判したBさんは、自分があいさつをしないのです。いつもむずかしい顔をして、人をにらみつけるような目つきをしています。近づきがたい感じがするので、誰もすすんでBさんに話しかけようとはしません。
「Aさんは、愛想がいい」と褒めていたCさんは、柔和な顔つきで、気さくな性格です。人に会うと、いつも自分からすすんであいさつをします。
だから、Cさんに対しては、誰もがにこやかに話しかけるのです。

他人を「意地悪だ」と批判する人は、たいてい、その人自身が意地悪です。自分の心が悪意に満ちているから、他人の悪意に対しても敏感になるのです。
ちょっと話が飛躍しすぎますが、漫画「ゴルゴ13」の主人公、デューク東郷は、他人に背後に無言で立たれると、問答無用で殴りつけます。彼は、殺し屋という職業柄、自分も命を狙われる危険があるので、つねに他人からの攻撃を警戒しなければならないのです。

ふつうの人は、他人に背後に立たれても、「殺されるかもしれない」などとは想像もしないはずです。
デューク東郷のように、いつも「他人は皆、意地悪で、自分を傷つけようと虎視眈々と狙っている」と警戒している人がいますが、それは、自分もまた他人を傷つけようとする悪意があるからです。
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他人との関係は、自分を映す鏡です。どちらか一方だけの要因によって決まるものではありません。
「気を遣ってくれない」と言う前に、まず自分から気を遣えばよいのです。
「理解してくれない」と嘆くよりも、まず自分が相手を理解するようつとめてください。
良好な関係を築きたければ、「まず、自分から」始めればよいのです。

そして、仮に、期待した見返りが相手から得られなくとも、腹を立ててはいけません。人それぞれに考え方も性格も違うのですから、自分の思いどおりにならなくても当然です。自分だって、相手の望むとおりの人間ではないはずです。
「まずまず、満足できる」関係なら、それでよしとしなければなりません。

「自分がしてほしいとおりに、してくれる」人が現れたなら、それはとても幸運なことです。心から感謝すべきです。
しかし、他人から与えてもらった幸福には、いつ崩れるかもしれないという不安がつきものです。どっしりと地に足のついた安心感、満足感は得られないでしょう。

これまで他人に要求してきたことを、「まず、自分から」行動にうつしてみましょう。そして、それ自体に喜びを感じてください。
他人に要求していたときよりも、ずっと穏やかな気持ちになれるはずです。

自分がつくり上げた幸福は、絶対に自分を裏切りません。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

イライラ、ムカムカ、カリカリ…自分の気持ち持て余していませんか?読むだけで嫌な気持ちがなくなります
メッセージ No.050-059
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