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たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

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たかたまさひろ(著)

No.071『わがままを抑えて、心豊かに』

他人から嫌われるタイプの代表格は、「わがままな人」でしょう。
わがままな人は、おそらく、幼いころに親に甘えさせてもらえなかったのです。
自分の言うことを親がしっかりと聞いてくれ、すべてを受け入れてくれれば、子供は、自分の存在価値に自信がもて、自分の喜びのために生きることができるようになります。
充分に甘えさせてもらうという経験を通して、自立した、精神の強い、思いやりのある人間に育つことができるのです。

子供が「ケーキがほしい」と言ったとき、親は、断るならば、子供が納得するように理由を説明しなければなりません。
ただ頭ごなしに「ダメ! そんなわがまま言う子は嫌いだよ!」と叱られれば、子供は、自分の存在を軽く扱われたように感じてしまいます。
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子供は、本当はケーキがほしかったわけではないのかもしれません。「ケーキが食べたい」という要求を、親がどのように受け止めてくれるかを試したのかもしれません。
「甘いものばかり食べると、体によくないのよ。お母さんが、もっと栄養のある、おいしい料理を作ってあげるから」
「ほしいと思ったものが、何でも手に入るわけではないのよ。お父さんが汗水流して働いて稼いだお金だから、大切に使おうね」
などと説明すれば、子供は、ケーキが食べられなくても、自分の要求を親がちゃんと聞き入れて対処してくれたことに満足し、自分の感情を抑えることができるようになります。

望んだ物がすべて手に入れば、心は満たされるのかというと、そうではありません。
親が子供を甘やかし、お菓子がほしいと言えば腹いっぱい食べさせ、おもちゃがほしいと言えば買い与え、何でも「はいはい」と子供の言いなりになれば、子供は、「親は、自分のご機嫌を取ろうとするばかりで、真剣に向き合ってくれていない」という虚しさを感じ、やはりわがままな人間に育ってしまいます。
わがままを言う子供にとっては、要求が通るか通らないかということより、親が話をちゃんと聞いてくれるかどうか、ということのほうが重要なのです。

わがままな人は、幼いころに聞き入れてもらえなかった「ケーキが食べたい」という欲求を、20歳になっても、30歳、40歳になっても、しつこく他人に要求してしまうのです。親が埋めてくれなかった心の空洞を誰かに埋めてもらいたいと、あれこれ他人を試すのです。
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しかし、成人した大人に、幼い子供と同じように甘えられては、まわりの他人はたまったものではありません。
わがままな人はまわりから敬遠され、孤立し、意固地になり、ますますわがままに拍車がかかる、という悪循環に陥ってしまいます。

女性が好みの男性のタイプを聞かれたときに、「私のわがままを許してくれる人」と言うことがあります。
そういう人は、子供のころから誰にも許してもらえず、つらい人生を送ってきたのでしょう。当人は意識していないのかもしれませんが、自分を許してくれなかった人たちに対する当てつけのようにも思われます。

世の中に誰かひとりでも自分を真剣に受け入れてくれる人がいれば、わがままな性格にはならなかったはずです。その淋しさを判ってほしいという強い欲求が、わがままという行動に表れています。
しかし、自分のわがままを直さないかぎり、どんなに優しい恋人を見つけても幸せにはなれない、ということを認識しなければなりません。

自分と恋人が部屋にふたりきりでいるとします。
ケーキがひとつしかないとき、わがままな人は、「自分が食べたい」と主張します。
優しい恋人が「いいよ」と、そのわがままを許してくれたとしても、自分ひとりで食べるケーキがおいしいでしょうか。お腹は満たされても、心は満たされないのではないでしょうか。
ひとりで全部食べるよりも、ふたりで半分ずつ分けて食べるほうが、はるかにおいしく感じられるはずです。

あなたがもう子供でないなら、「ケーキが食べたい」とだだをこねるのは、そろそろ終わりにしましょう。
代わりに、「一緒にケーキを食べてくれる人」を探しましょう。わがままを許してもらうよりも、そのほうがはるかに幸せなことなのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.070-079
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