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たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

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たかたまさひろ(著)

No.134『悩みの割合を小さくする』

水の入ったコップに墨汁をたらせば、水はにごってしまいます。一度にごってしまった水は、もとに戻すことはできません。
しかし、バケツのような大きな容器に移し替えて、大量に水を注ぎ足し、ほとんど透明になるくらいまで薄めることはできます。

毎日イライラしている人は、「自分には嫌なことばかり起こるのだから、ストレスをためるのは仕方がないことだ」と思っているのかもしれません。
しかし、嫌なことは、誰にでも起こるものです。いつも笑顔で明るく生きている人も、人生に起こる「嫌なことの総量」は、たいして変わりません。
ただ、明るい人は、全体の容量が大きいので、嫌なことの割合が小さく、気にならないというだけのことなのです。
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意地の悪い同僚のせいで、私は暗い気分で仕事をしなければいけない。ああ、私は何て不運なんだ……。
そう悩んでいる人は、嫌いな同僚のことで頭がいっぱいになっています。
たしかに、意地悪な人と一緒に仕事をしなければならないのは、つらいことでしょう。ストレスがたまるのも当然です。

しかし、そういうケースは、世の中に数え切れないほどあります。
むしろ、好きな同僚ばかりに囲まれて、毎日何のストレスもなく、楽しく仕事ができている人のほうが少ないのではないでしょうか。仮に、そういう恵まれた人がいたとしても、何か別の悩みを抱えているに違いありません。
自分だけに嫌なことが起こっているわけではないのです。

嫌いな同僚を消しゴムで消すわけにはいきません。その人の性格を変えることも困難でしょう。
しかし、自分の心の中で、ストレスの割合をかぎりなく小さくすることはできます。
墨汁を分離して取り除くことはできませんが、全体の水の量を増やせば、いくらでも薄めることはできるのです。

同僚との関係が人生のすべてではありません。そもそも、たったひとりの人間によって台無しにされてしまうような人生とは、いったい何でしょうか。
ほかに楽しみはいくらでもあるはずです。自分の心の幅を広げようとしないから、嫌なことばかりに占拠されてしまうのです。
会社人間は、仕事が人生のすべてになってしまいますし、家に引きこもっている人は、家が世の中のすべてになってしまいます。
せまいから、逃げ場がないのです。

あまり親しくない人にあいさつをして無視をされれば腹が立ちますが、仲のよい友人に無視をされても、「気づかなかったのかな。それとも、きょうは気分が悪いのかな」と思うぐらいでしょう。
その友人のよいところをたくさん知っているから、たまたま一度無視されたことは、全体の割合からすれば微々たるもので、たいして気にもならないのです。
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人付き合いの苦手な人は、なるべく他人とのかかわりを避けようとします。
だからこそ、たまに交わした一言の会話で、ちょっと嫌なことを言われると、「この人は嫌な人だ」「バカにされた」などと、相手のすべてを拒絶してしまいがちです。
もちろん、その人は本当に嫌な人なのかもしれません。しかし、それはもっと深く付き合ってみなければ判らないことであり、たった一言で判断すべきではありません。

付き合う前から「嫌われたらどうしよう」「この人はどういう性格の人だろう」と悩んでいても、らちがあきません。
その人から自分が好かれるかどうかということは、付き合ってみなければ判らないのです。

また、人は多面性をもっているので、「この人は、こういう人だ」などと一言で言い表せるものではありません。
付き合う相手がどういう人かということは、自分の見方によって変わるのです。
自分の利益だけを求めている人にとっては、経済力や地位だけが人を測る尺度です。
女性を性の対象としてしか見ない男性にとっては、容貌だけが女性の値打ちのすべてです。
わがままな人にとっては、自分の言いなりになってくれる人がよい人です。
人を判断するのに客観的な基準はなく、「自分がどう見るか」ということにかかっているのです。

人間嫌いを直す方法は、とにかく他人のあらゆる面を見て、理解しようと努めることです。
完全な悪人はいないし、完全な善人もいません。欠点だらけの人もいないし、あらゆる点で優れているという人もいません。
判らないから怖いのであって、判ってしまえば、好き嫌いはあっても、少なくとも怖れはなくなります。
相手をよく理解し、総合的に判断しなければなりません。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

イライラ、ムカムカ、カリカリ…自分の気持ち持て余していませんか?読むだけで嫌な気持ちがなくなります
メッセージ No.130-139
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