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たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

たかたまさひろ(著)

こころが休まる本

たかたまさひろ(著)

No.140『否定的な考えにとらわれたとき』

前向きに生きたいのに、何でもものごとを悪い方向に考えてしまう。
人前できちんと話そうと思えば思うほど、緊張して口ごもってしまう。
他人と仲よくしたいのに、ついあら探しばかりして非難してしまう。
嫌いな奴のことを思い出しては、イライラ、モヤモヤしてしまう。
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誰でも、自分の欠点は直したい、他人から尊敬されるような立派な人間になりたいと思っています。
しかし、自分の思いとは裏腹に、まったく反対の行動をとったり、反対の考え方にしばられたりしてしまうことがあります。
むしろ、自分の欠点を直したいという思いが強ければ強いほど、反対の衝動も大きくなるものです。

自分の欠点を自覚し、それを改めようとする心がけは、すばらしいことです。
しかし、欠点を直すことばかりにとらわれてしまっては、それができない自分にますます自信を失ってしまい、かえって欠点が悪化してしまうという悪循環に陥るおそれがあります。

ある中学生が、吃音に悩んでいました。
文化祭で彼のクラスは演劇をやることになりました。その劇にちょうど「どもりの青年」という役があり、彼は自らその役を志願しました。どもりの役なら、ふだんの自分のままで演じられると思ったからです。
ところが意外なことに、台詞でわざとどもろうとしても、うまくどもることができず、スラスラとしゃべってしまうのです。
以来、彼の吃音は直ってしまったといいます。

不眠症の人が、「眠らなければいけない」と焦るのをやめて、「ようし、今夜は意地でも眠らずに起きていてやるぞ」と決心したら逆に眠くなった、という話もあります。

悪い癖をなかなか改められないとき、「やめよう」という思いを捨て、「わざとやってみよう」と考えてみるのもひとつの方法です。
よくない考えを打ち消そうとしても、無意識のうちに頭に浮かんできてしまうものです。
無意識は自分ではコントロールできません。コントロールするためには、表の意識にもってこなければいけないのです。
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嫌な考えが次々に頭に浮かんでしまうときは、逆に「これから1時間、できるかぎり嫌なことばかり考えてやろう」と気持ちを切り替えてみてください。
無理に嫌なことを考えようとすれば、心はそれにブレーキをかけようとします。
1時間、積極的に嫌なことばかり考え続けるというのは、相当の忍耐力が必要であるはずです。
苦痛を感じたり、バカバカしく思えてきたりすれば、「自分の意志で」やめればよいのです。

ただし、ここで注意すべきことは、「焦らない」「無理をしない」ということです。
生真面目に「そうしなければいけない」と意気込んでしまっては意味がありません。
「無理をしない」ということもふくめて、あくまで自分の意識をコントロールするのだという意志が必要です。

嫉妬、怒り、自己嫌悪……これらのみにくい感情は、抱かずにすむならそれにこしたことはありません。
しかし、人間なのですから、どうしてもみにくい感情を抱いてしまうことはあります。
まず、そういう自分の弱さを許し、受け入れてあげなくてはなりません。

許すことは、甘やかすこととは異なります。むしろ、自分の感情を押し殺してごまかすことのほうが、自分を甘やかしていることになるのです。
自分のみにくい感情を素直に受け入れるには、強い意志が必要です。
それだけの強い意志がもてるようになれば、やがて自分の感情をコントロールできるようになるはずです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

イライラ、ムカムカ、カリカリ…自分の気持ち持て余していませんか?読むだけで嫌な気持ちがなくなります
メッセージ No.140-149
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