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たかたまさひろ(著)

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たかたまさひろ(著)

No.221『相手にとっての利得を考える』

なぜあの人は、他人にもっと気を遣えないのだろう。
なぜ恋人は、私の気持ちに気づいてくれないのだろう。
なぜ友人は、自分の都合ばかり押しつけてくるのだろう。
「なぜ〜してくれないのだろう」「もっと〜してくれればいいのに」ということは、誰もがお互いに思っていることです。

不満を抑え込み、イライラをためこむのはよくありません。
他人に対して「〜してほしい」という主張は、正当なものであれば堂々とするべきです。
しかしそのときに必ず考えておかなければならないことは、「そうすることが、相手に何の利得をもたらすのか」ということです。
相手は何も得することはないのに、ただ自分がそうしてほしいからという理由だけで強要するのは、ただの身勝手です。
そうすることが相手にとっても自分にとってもよい結果をもたらすという前提があってはじめて、他人に何かを求めることができるのです。
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相手も「そうしたほうがよい」と思っており、なおかつそれができるのであれば、誰に言われずとも進んでやっているはずです。
なぜやらないのかと言えば、「そうすることが得だと思っていない、あるいは気づいていない」からか、「判っていてもできない」からなのです。

私たちはふつう、わがままな人を見ると、「いい気になって、いったい何様のつもりなんだ」と腹を立てます。
しかし意外にも、わがままな人というのは、逆に「自分はいつも損をしている」という被害者意識に凝り固まっているものなのです。
「私は他人に虐げられてばかりいるのだから、これぐらいのわがままを言わせてもらわなければ釣り合わない」と考えて、わがままを言うのです。
人は、自分に欠けているものを補い、バランスをたもとうとするものです。

他人が嫌がるような態度をとる人は、そうせざるをえないほどに追いつめられているのです。
わがままな人に「わがままを言うな」と言っても、「では、私は損をするばかりになってしまうではないか」と、必死に抵抗されるでしょう。
他人に注文をつけるのであれば、「わがままを言えば、他人から嫌われ、結局よけいに損をすることになるのだ」ということを説いてあげなくては意味がありません。
重要なことは、勝つか負けるかではなく、どうすれば互いが幸せになれるかということです。
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人の考え方は簡単に変わるものではありませんから、なかなか判ってもらえないかもしれません。また、自分の考え方が絶対に正しいと押しつけるのもよくありません。
判ってもらえなくてもよいのです。少なくとも、相手の身になって考えれば、自分の腹立ちはおさまります。

優れた野球選手が、野球のできない人をあざ笑ったり、腹を立てたりするでしょうか。
まず、自分に野球ができる能力があることをよろこび、好きな野球を続けられる境遇にあることに感謝し、そして、少しでも多くの人に野球の楽しみを知ってほしいと思うのではないでしょうか。
何ごとも「自分がそうするほうがよいと思うから、やるのだ」ということが判っていれば、同じようにしてくれない他人に対して腹を立てることもありません。
自分にはそれができる能力が与えられており、それによって得をしているのですから、それで充分なのです。

他人に親切にできる人は、自分も他人から親切にしてもらえる確率が高くなります。
見返りを求めるのはいけませんが、やはり私たちは、結果的に自分も得をするということが判っているから、他人に親切にできるのです。
「得をする」という言い方が打算的に聞こえるならば、「自分を大切にする」と言い換えてもよいでしょう。
自分を大切にできるからこそ、他人にも優しくなれるのです。

「自分のために生きる」ことは、悪いことではありません。人は皆、自分のために生きているのです。
もっとも始末が悪いのは、自分のために生きているという自覚がなく、「私は他人にこれだけのことをしてあげたのに」「私はいつも他人の犠牲になっている」などと不満ばかり言っている人です。

まず自分のために生きなければ、人のためになることもできません。人のためになることも含めて、「自分のために生きる」ということなのです。
そして、自分のために生きることができれば、他人の言動にとやかく不満を感じることもなくなるのです。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.220-229
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