ありがとう ロングセラー 45刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

イライラ、ムカムカ、カリカリ…自分の気持ち持て余していませんか?読むだけで嫌な気持ちがなくなります

No.250『最悪を想定することも必要』

何かに成功するためには、成功したときの自分の姿をイメージするとよいと言われます。
つねによいイメージを描いている人は、実際にうまくいくことが多く、悪いほうにしか考えられない人は、本当に悪いほうに向かってしまうものです。
しかし、そう言われても、何でも悪く考える癖のついてしまっている人は、簡単には考え方を変えられないかもしれません。
「なぜ明るく考えられないのか」とさらに暗い気分に落ち込んでしまっては、かえって逆効果です。

悪い結果を想像してしまうというのは、よく言えば慎重で堅実だということです。
悪いイメージも、考え方によってはとても大切なことです。悪いことはいっさい自分の頭から排除してしまえばよいというものではないのです。
「よいイメージを描く」というのは、たしかに成功の確率を高めるものかもしれませんが、それだけにとらわれるのは危険です。
「まさか遭難しないだろう」と楽天的に考えて、予備の食料ももたずに冬山登山に行くのは、賢明とはいえません。
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No.251『相手を見て判断するということ』

ある大学生の男性は、学校に歩いていく途中、曲がり角で中年の女性と肩がぶつかってしまいました。
彼が謝ろうとすると、女性は、「ちょっと、あぶないじゃないのよ!」と吐き捨てるように言って、ぷいと去っていきました。
彼は一瞬あっけにとられたのですが、その後、怒りがふつふつとわき上がってきました。
こちらが謝ろうとしたのに、あの言い草は何だ! 不注意だったのはお互いさまじゃないか……。

彼は、授業中もその件が忘れられず、イライラして、勉強に集中できません。
あのとき、とっさに言い返してやればよかった。もし今度同じような目にあったら、何と言ってやろう。
そう思うとともに、そんなささいなことでいら立っている自分の心のせまさにも腹が立っているのです。
その女性の言い方が悪かったことは言うまでもありませんが、ここでは、彼の心のもち方について考えてみます。
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No.252『正しい答えを見つけなくてもよい』

学校では、問題を早く、正確に解くことを教わります。
ゆえに私たちは、生きていく上での悩みや問題に対して、「できるだけ早く、正しい答えを導かなければならない」と考える癖がついてしまっています。
そして、それを解決できなければ前に進めない、他人から認めてもらえない、と悩んでしまいます。
何かができない、判らないという問題の上に、「悩みを解決できない私は、ダメな人間だ」という新たな悩みを積み上げてしまうのです。

どうすれば人に好かれる人間になるだろうか。
どうすれば自分に自信がもてるのだろうか。
私にはどういう職業が向いているだろうか。
私は何のために生きているのだろうか。
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No.253『自分を責めるのはもうやめよう』

他人を怖れてしまう人は、心のどこかに「自分はダメな人間だ」「自分は皆から嫌われている」という劣等感、罪悪感を抱えています。
他人からひどく責められたり、拒絶されたりした経験があるために、「また責められるのではないか」という怖れを感じ、先に自分を責めてその不安をごまかしてしまうのです。

親の言いつけを守らず、「悪い子」だと叱られたこと。
友人との約束を破って、「見損なった」と絶交されたこと。
そのショックから立ち直れず、悲しみと悔しさがくすぶり続け、心の整理をつけることができずに、自分を責める癖がついてしまったのではないでしょうか。
しかし、他人から責められたことのすべてが、自分だけが一方的に悪かったわけではないはずです。
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No.254『見返りを求めない心』

愛されることを求めるよりも、愛するほうが幸せである。
他人に親切にするときには、見返りを求めないほうがよい。
他人から責められたくなければ、自分も他人を責めてはいけない。

頭では判っていても、なかなか実行できることではありません。
やはり、好きな人には、自分も好かれたいと願うものです。
せっかく他人に親切にしたのに、何も感謝をされなければ、がっかりしてしまいます。
自分が批判されたときは、「ほかの人だってやっているじゃないか」と、つい他人を責めたくなることもあります。
どうすれば、見返りを求めずに他人に優しくすることができるのでしょうか。
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No.255『他人の裏切りが許せないとき』

20代前半のある女性は、自分を裏切った恋人を許すことができず、苦しんでいます。
恋人だと思っていた男性は、ほかにも複数の女性と同時に交際しており、ある日突然、そのうちのひとりと結婚してしまったのです。
何も知らなかった彼女は、いきなり彼から「結婚する」と聞かされ、別れを告げられたというわけです。

彼女はショックを受け、ただ呆然とするばかりでした。
やがてそのショックは怒りへと変わり、復讐という言葉が頭に浮かぶようになりました。
彼が自分だけ幸せそうにしていることが許せない。彼の人生をぶち壊してやりたい。その衝動が抑えられないのです。
まわりの友人たちは、口をそろえて「復讐などやめたほうがよい」と言います。「そんな男と別れてよかった」「仕返しをしても、虚しさが残るだけだ」と慰めてくれます。
それは頭では判っています。しかし、このまますごすごと引き下がるだけでは、腹の虫がおさまらないのです。
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No.256『内から外に向かう幸せ』

多くの人は、幸せになるためには、ある条件をクリアしなければならないと考えています。
いい会社に入れば、給料が上がれば、もっと美しくなれば、結婚すれば、子供ができれば……。何かが変わるかもしれないと期待します。
しかし、幸せを求めて懸命に努力してきたつもりなのに、ふと振り返ってみれば、なぜか心は満たされず、「ほかの人は幸せそうに見えたのに、なぜ自分が同じことをしても、幸せを感じられないのだろう」と、だまされたような気分になってしまうのです。

心からの幸せを実感するには、どうすればよいのでしょうか。
金持ちである、友人が多い、美人の恋人がいる、などという形式的な条件を整えれば幸せになれるというわけではありません。
幸せとは、「外から内に入ってくるもの」ではなく、「内から外に広がっていくもの」なのです。
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No.257『何かができることを当然だと思わない』

現代の人は、昔に較べて、多くのことができるようになりました。
不可能なことを可能にするということは、人類の果てしない夢であり、基本的な欲求です。
できることをする。これは、原則として、よいことには違いありません。
しかし、単に「できるから、する」というだけではなく、「何のためにするのか」「本当にやらなければならないのか」ということも、ときには立ち止まって考え直す必要があります。

断水になれば、料理をするにも、トイレを使うにも、風呂に入るにも不便な生活をしいられます。
このときはじめて、私たちは、蛇口をひねれば水が出ることのありがたみを思い知るのです。
水が出なくてイライラする、水道局に苦情の電話を入れてやろうか、と思う人もいるかもしれませんが、こういうときこそ、「水道があるおかげで、私たちはどれだけ便利で楽な生活を送っているか」ということを考えるべきです。
1年のうち1日だけ水道が止まって不便をしたとしても、残りの364日は、水道のおかげでずいぶん楽をさせてもらっているのです。
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No.258『最大の利益がえられなくてもよい』

ある工場の経営者がいました。
彼は、少しでも利益を上げるために、つねに従業員たちの仕事ぶりを見張り、怠けている者がいれば厳しく罰しました。
しかし、数百人の従業員をひとりで完全に見張ることはできません。そこで彼は、従業員たちを見張る役目の従業員を新たに雇うことにしました。

はじめは、50人の従業員につき1人の見張り役をおいていたのですが、彼はそれでも安心できず、30人に1人、10人に1人と見張りを強化していき、ついに1人につき1人の見張り役をおくことになりました。
しかし今度は、見張り役がきちんと見張っているかが気になって仕方がありません。そこで、見張り役の見張り役を雇うことにしました。
結局、人件費は当初の何倍にもふくれ上がり、工場は倒産してしまいました。
これはひとつのたとえ話ですが、人間関係において不満や怒りを感じたとき、思い出すと役に立つ教訓です。
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No.259『事実、考え方、感情』

会社で重大な仕事を任されてしまった。失敗すれば私の人生は終わりである。不安で夜も眠れない。
好きな人に振られてしまった。どうせ私は、外見が美しくないから異性にもてないのだ。悔しくて仕方がない。
私は、不器用で口べたである。こんなダメ人間の私には、誰も寄りつかない。一生友達ができないのだと思うと、悲しい。

悩みとは、このように「事実」「考え方」「感情」という3段階の流れから成り立ってます。
「重大な仕事を任された」というのは、事実です。
「失敗すれば私の人生は終わりである」というのは、考え方です。
「不安である」というのは、感情です。
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